研修会・講習会 実施報告

看取りについて~介護福祉士の使命パート2~【H26.1/26】

H26年1月26日(日)に『看取り』についての研修を行いました。
講師は、5月の山口県介護福祉士会の総会で「死に方を忘れた日本人」と題して講演をして下さった九州大学名誉教授の信友浩一先生です。
午前の講義では、人間が「幸せな死を迎える」ことは個人の尊厳を大切にすること、そして「死」に対する苦痛や不安を察し、人間の弱みに寄りそうことが私たち介護職の役割であることを学びました。現代社会は、病気なしで死を迎えられない時代になっています。死を前に個人を尊重し、その人が日頃から望んでいた最期を迎えられることが大切です。病気モデルとしてみるのではなく、生活モデルとしてみることを再認識しました。
午後からのグループワークでは事例をもとに、「幸せな死」を迎えるための対応について皆さんで考える貴重な機会を持つことができました。
人間はいつか「死」を迎えます。「どんな死を迎えるか」「どんな死に方をしたいか」を共有していけるよう、私たち介護職は使命を果たして行きたいと思います。

文責 飴屋

 

 


アンケート結果は以下の通りです。


『看取りについて~介護福祉士の使命パート2~研修会』アンケート


アンケート総数104

① どの事業所に属していますか

介護老人福祉施設 28 介護老人保健施設 13
訪問介護事業所 デイサービス・デイケア
グループホーム 介護療養型医療施設 11
障碍者支援施設 病院 16
その他

・有料老人ホーム 4
・小規模多機能 1
・住居型有料老人ホーム 1
・特定入居者生活介護 1
・特定施設有料老人ホーム 1
・養護老人ホーム 1
・無回答 2

② 職種を教えて下さい(複数回答あり)

介護職員 87 介護支援専門員
生活相談員 ホームヘルパー
看護師 その他管理者 1
無回答 1

③ 本日の研修はいかがでしたか

大変良かった 71
良かった 31
期待したほどではなかった

 

《感想》
・日々死につながっている現場に居ながら「看取り」について深く考えようとして来ていなかったと思います。今回の講義を聴かせて頂いて、それぞれ患者様の最期に寄りそっていきたいと思いました。
・午後からのグループワークで他の施設の職員からいろいろ意見が聞けてとてもよかった。
・改めて、死という誰もが避けて通れない問題であるが、あまり口に出して言えないような空気があった。今回の研修を受けて、こんな先生もおられるんだと、とてもびっくりしました。今後の自分の事を思い、話を聞きました。
・死というものは悲しいものではあるが、残された者に生きる力を与えられるものというお話がぐっときた。
・普段の介護の業務の見直しをしなくてはと、自分なりに反省させられる思いです。今日はとても良い研修に参加できたと思います。
・住居型有料老人ホームでターミナルの方が多く過ごしておられます。悪性腫瘍末期の方の緩和ケアもあります。技術と質の高さが求められる現場で、スタッフが“報連相”が抜けない様によく頑張っています。本日は基本の部分(精神的なターミナルケアの捉え方)等を学ぶことが出来、有意義な研修でした。
・講義内容以外にも、日頃の介護に対しても沢山気づかせて頂き、今後の入苑者への接し方が変わりそうで嬉しい‼施設からの参加ではなく個人でしたが、又個人でも参加したい。
・介護療養型医療病院で働いているので、施設での看取りと病院での患者の看取りでは看取り方が違っている気がしました。
・山口県内に尊厳死受け入れドクターが多くいて心強く思いました。当病院では、経管栄養の患者が多く、日頃から「死に方」について思うところがありました。これからは、看取る前のプロセス「事前指示書」「尊厳死宣言」があることを忘れず、大切にしていきたいと思います。
・病院で働いています。いつも看護師さんたちに邪魔扱いされて働いていましたが、本日先生に生活モデルには欠かせない人であると介護士を認めていただいてとても嬉しかったです。頭では理解できていても、この仕事に嫌気がさしていた時だっただけに、患者様の声をもっと上にあげていきたいと思いました。本当にありがとうございました。
・自分たちがしている介護の再確認ができ、病院とグループホームと違う場所での看取りを経験した自分にとって、それぞれの場所で関わっていく気持ちの切り替えを自分なりに考えてみました。後悔したこと、良かったと思ったこと、すべてが自分の成長にも繋がってきていたんだと、元気になりました。
・看取りについて重要視していませんでしたが、研修にて看取りはご本人だけでなく、ご家族の気持ちの整理に繋がることに気付かされました。介護職員としてご家族のアフターケアも必要とされることがあると思います。本人、ご家族にとって良い看取りに導くよう、アドバイスなど出来たらと思います。
・私は現在施設の中でターミナル委員をしています。看取る利用者さんがとても多く、自分達の対応に悩む日々です。でも、本日先生や他の受講者のみなさんの話を聴くことができ、心が少し軽くなりました。
・事例を通して大変勉強になりました。事前指示書の必要性や定期的な見直しの大切さを感じられました。
・実際に看取りはしているが、ずっと“これでいいのか”と思っていました。これからは、今日勉強した事を踏まえて、看取りについて介護士として何をしてあげるか考えて実行したいです。
・改めて看取りの大切さ、本人の希望通りにすることの難しさ、家族へのフォロー、早めの意見書が大切と感じた。
・看取りのメリット・デメリットや本人にとって一番良い看取られ方(幸せな死に方)など詳しく意見を出し合い、とても勉強になる時間を過ごせて感謝しております。
・看取りについて、きちんと学習する場が全く無かったため、今日の研修はとても役立ちました。この研修を活かせるよう頑張っていきたいと思います。
・私達の施設でも今、看取りをしています。私自身まだ経験がないので戸惑いが多く、この研修を受けて本当に良かったです。
・看取りについて、今回私たちのケアの関わりについてとても勉強になりました。看取りの現場として情報支援ケアの必要性を感じました。事例検討しいろいろな意見が出てとても良かったと思います。
・ディサービス勤務のため直接看取りに関わることはありませんが、その人がその人らしく生きるために、そしてその人らしく送ることができるよう考え、他職間・他施設との連携を深めていきたいと思いました。
・他の施設の方と関わりが持て、とても勉強になりました。それぞれが看取りについてとても良く考えていると思いました。ありがとうございました。
・他施設の意見が聞ける場があったので非常に良かった。現在、老健勤務でターミナルケアへは積極的ではないが、特養での看取りを経験できたことは、私にとって大きな経験だと思えた。介護士になって良かったと思える研修だった。ありがとうございました。
・介護を単なる仕事、業務として携わっていたが、先生のような意識をもてるよう頑張っていきたい。
・お世話になりました。先生の考え方に嬉しく思い勉強になりました。今後、仕事又は生活において、サポートして行ける様に頭の中に入れて、サポートして行こうと思います。
・死を目前にした時、うろたえる自分が思い浮かぶ。介護病棟で看取りを経験することは少ないからこそ、いざという時に冷静に対応することはもちろん、心からその人、家族に寄りそったケアが出来るようになりたい。
・看取りの話はタブーになっていたが、今後役立てられそう。ありがとうございました。
・看取りだけでなく、普段のケアに活かせることも多く学べてよかった。
・自分たちで出来るケアを考えながら、日々患者様・ご家族様に接していこうと思いました。又、自分の事として考える事にしていこうと思います。
・看取りの有り方の勉強になりました。事前書の作成の大切さを学びました。急変時に慌てる事なく、本人の支援が出来る様に。
・施設内での同様な問題、悩みを抱えている事、とても身近に感じました。
・看取りについて、死というものの考え方が変わりました。死に方、死なせ方考え、一本化できる様にしていきたいと思います。
・今、毎日が看取りの状態の病棟なので、大変参考になりました。家族への対応も、いざそのときにならないと家族がどう言うのか、急に変わるときもあるので、今後の課題でもあります。
・看取りについて考えさせられました。職場に帰って、職員全員になげかけて、皆で考えてみたいと思います。
・看取りケアについて詳しく知ることができました。また、理想的な死に方について考えることができました。
・0からのスタートだったため、とても勉強になりました。ありがとうございました。
・死は1.5人、本人・家族がハッピーな死、事前指示書等考えさせられることが多く、大変勉強になりました。
・看取りケアについては、まだまだ勉強不足ですし、本人・家族の思いは違うと思いますが、随時確認していく必要があると思いました。
・職場でもテーマとなっている事であり勉強になった。最後の場として、ふさわしい場所になる様努力したい。
・看取りは当人・家族がハッピーだったと思えるような関わりをしないといけないと改めて感じました。
・事例を通して考えさせられることが多く、大変勉強になった。
・実体験にもとづいた話がとても分かりやすく、スッと中に入ってきた。改めて死というものを考える機会を与えて頂き感謝しています。
・午前中の講義では楽しいお話のなかでもポイントを押さえ、私たち介護福祉士として、重要な位置づけなのだという事を改めて感じました。看取りとは、その方・家族、大きな輪の中で行うすべて(人生をも)を含んだもの。大変勉強になりました。
・看取りが始まろうとしている当部所です。とても良い研修でした。今日学んだことを活かしていきたいと思います。
・看取り時の医療のあり方について、疑問に思っている部分が多々ありましたので、今日はとてもいい研修を受けたと思っております。ありがとうございました。
・現在有料老人ホームで看護師として働いています。苑でも今まで4例の看取りを経験してきました。Dr・Ns・家族の連携については(山口市すえながDrと)比較的スムーズに行えましたが、介護職員との連携が難しく、今、自分達(Ns)に何が不足しているのかが分からなく、本日の研修に参加しました。どうしても職員の目線で考えてしまい、本人の思いを十分に考えていないことに気付きました。「幸せな死」を迎えられるように、今日の話を活かし援助していきたいです。
・午後のグループワークが特に良かったです。いろいろな意見が聞けるというのはなかなかないので、これからもこういう機会を設けていただけたらと思います。
・私はまだ立ち上げたばかりの施設に勤めています。あまり看取りを経験したことがないので、とても勉強になりました。また、ぜひ勉強したいと思います。
・看取りについて、改めて学べました。本人・家族の意向をしっかりと聞いておくことも大切だと分かりました。
・病気モデルか生活モデルの見極め段階からの支援である事。生活モデルの支援においては、これといった決まった事はなく、患者に一番近い我々が症状や生活において誠心誠意支援する事により信頼関係を作り、本人が望んでいるケアをしていくといった、自分の中でのケアマニュアルが出来ました。
・「~したい」という気持ちの大切さ、看取りをするための役目、ハッピーになるようなストーリーを作る、弱さに共感し一人ぼっちにしない。とても心に残りました。
・看取りに対しての心構えを勉強することができました。「ここの施設で死にたい」と言ってもらえるように、これからも学んでいきたいと思います。
・信友先生の講義はわかりやすくポイントを押さえることが出来、本当に感謝しています。尊厳死についても考え深いものがありました。演習ではいろいろな人の考えを聞き大変勉強になりました。
・一から看取りの勉強をしている最中で、先生のお話が聞けて、とても参考になりました。施設が今、看取り強化をしているので、きちんと報告し、一人でも「ここに頼んでよかった」と思えるような介護をしたいです。
・人間が最期の時間を過ごす時の大切さや、家族への関わり方などを学ぶことが出来て良かったです。
・自分の中で対立する事から逃げていました。今回の研修を受けて対立は良い事で、それを納得するまで話し合いをすれば良いのだと思いました。死は、まずは、本人と家族が中心となって考え、他を職員が手を貸す。死は悲しいけど、それを良くするのも自分次第と考えた。
・その人らしく生きて来られ、その人らしく看取られるように、寄りそうケア、しっかり声かけしようと思いました。信頼関係をもっと築きたいと思います。
・ディサービス勤務で看取りはあまりないことではありますが、心のケアや本人の気持ちを聞くことなど、色々と勉強になりました。
・考えたり、話し合ったりとしたことを、看取りに直面した際できるかどうか分からない。一人一人に対して思いはあっても、職員によってその人に対する思い、こうしてあげたいというのは違うので、施設でどうすることが理想の看取りになるのか難しい。
・信友名誉教授による看取りの理想的なプロセスを学べることが出来て、今後の実践で役立つ。他施設との関わり(グループワーク)にて、色々な意見が聞けて良かった。
・おそらく、前回の講演が基調にあったので、今回のような内容であったと思われます。前回の講演が聴けなかった事を残念に思いました。午後からの演習は大変勉強になりました。ありがとうございました。
・現実的には本人の希望する治療ケア、入院等は選べることは少ないと思う。自分の意思が反映される、又家族の意思が反映される医療を受けるのは難しいと思う。いつかは訪れる死について、しっかり考える必要がありそうです。
・今回2回目の研修で先生の話は初めてだったので、話にまとまりがなくわかりにくかった。私の理解力が低かったのもあり、又、研修を色々と受け、耳で聴く事を練習していきたいと思いました。
・看取りについて考えるという点では、グループワークを通して考え直す機会となり良かったと思います。講義の内容としては、漠然として概念的な内容であまり参考になりませんでした。
・看取りについては答えがないと思います。前回の研修は分かり易かったですが、今回やや分かりにくかったです。