研修会・講習会 実施報告

平成25年度介護事例研究会 実施報告(平成25年8月25日)

 

平成25年度介護事例研究会のご報告

 

平成25年8月25日(日)の10時から15時まで、山口県セミナーパーク社会福祉研修室において、助言者に合同会社和の会 代表 久保田トミ子先生をお招きし、介護事例研究会を開催いたしました。

発表された介護研究及び研究者は以下の通りです。

研究テーマ 研究者
在宅復帰支援における 家族との関わりを通して学んだこと

美祢市介護老人保健施設 グリーンヒル美祢

○柴田  真弓

転倒のリスクを減らす取り組み

~怪我はしたくない、でも自分のタイミングで生活したい~

特別養護老人ホーム福寿荘

○藤井  富美子
「正しい手洗い」を習得するための取り組みと効果

安岡病院

○新居 輝代
神保 美幸
宮崎 和子
排泄自立に向けての取り組みと改善効果

特定施設有料老人ホーム夢沓舎

○光本 ひろみ
有光 弘子
運営理念実現のために 利用者の思いを取り入れた介護記録へ

小規模多機能ケアタウン山の田

○室永 慎一
白川 艶美
「認知症」に惑わされ、 思い込みで対応した介護者の失敗

JA下関在宅ケアセンター

○山本 路子
砂川 悦子

おもてなしの「心」と「気持ち」を添えることができる

~見えないおもてなしから 見えるおもてなしへ~

宇部リハビリテーション病院

○松本 早苗
光森 沙代
正木 久美子
松井 真由美
米村 礼子

最期までその人らしく

~看取りケアを行って~

特別養護老人ホームサテライト望海苑

○中ノ瀬 緑

 

あいにくの天気にもかかわらず、70名程度の方が参加下さいました。山口県介護福祉士会は、介護福祉士の社会的地位を高めるため、実践を言語化しそのエビデンスを明らかにしていく事例研究・介護研究に力を注いでいます。今回の発表でも、そのことを証明するような素晴らしい研究ばかりでした。

内容も上記のとおり、非常に多岐に渡っており、介護福祉士に求められるものが多様化していることを実感するとともに、ケアの専門家として研究を通じてエビデンスを積み上げていくことの大切さを改めて感じることができました。

参加者の方達からも、質問が多く出て、そのセッションのおかげで、また事例をより深めることができました。また、1事例ごとに久保田先生がコメントをされ、発表と質疑応答で深まった事例を分かりやすく解説して下さったり、より良くなるために課題を投げかけてくださったりしました。

すべての発表が終わった後、久保田先生が総括をされました。その中で、「介護実践の科学」という言葉が非常に印象に残っています。実践を研究としてまとめ、エビデンスを導 き出し、またそれを実践し研究としてまとめる、そしてそれを共有する発表会を行う、という良いサイクルを作り出していくことが非常に大切であるとのことでした。

山口県介護福祉士会では、介護福祉士としてより質の高い介護実践していくために、この良いサイクルを作り出し、さらに介護実践の科学を進めて参りたいと考えておりますので、みなさんも是非、一緒に研究に取り組んでくださればと思います。

久保田先生、発表者の方、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。


文責:藤本

 

 

 

 

研修会実施後に頂いたアンケートの一部をご紹介します。


・多方面からの事例で勉強になりました。特に看取りについては、とても興味を持 っており、望海苑さんのような事業所がある事は嬉しく思います。久保田先生の言われた「QOD(デス)」にも共感いたします。医+介での協力関係の大切さを一 層感じました。

・日常で活用できる発表が多く、とても参考になりました。当施設においても、実践していきたいと思います。ありごとうございました。

・自分の施設でも取り上げている事例があり、大変参考になりました。不足の部分を補って、よい支援ができるよう改善できればと思います。統一した支援がなか なかできなく職員本人の技量が問われますが、よりよい入居者支援に努めたいと思います。

・知らなかったことや、思い違いをしていたことなどあり、参加してよかったです。職場でも取り組めることがあったので、やってみたいと思います。

・今回は、認知症、排泄、看取りと知りたかったことがあり、すごく参考になりました。特に今は看取りが多いので、考えさせられました。

・皆さんの取り組み、視点は違っていても、とてもすばらしい研究発表だったと思います。同じ介護者として私たちももっと取り組まなければと思いました。

・内容がどれもエビデンスに基づいた分析がされており、その考察も鋭くできており、とてもよかったと思います。大変勉強になりました。

・私の勤務しているのは病院で、施設の様子が分かり、病院・施設の違い、それぞれの役割は違うことを改めて感じた。「病院だから」あきらめず、生活に近い環境を作っていくことの大切さを感じた。そして介護のプロとして自信を持ち、プライドを持ち仕事をしたい。介護の目線で意見していきたいと感じた。

・いくつかの事例は、自施設にも関係しているので興味を持って傾聴しました。一回はあきらめていた介護方法や記録の方法についても、もう一度考えてみようとやる気が出てきました。大変参考になりました。