研修会・講習会 実施報告

代議員総会 及び みとりについて「死に方を忘れた日本人」講演会 実施報告

  【代議員総会実施報告】

平成25年度代議員総会は、5月19日(日)に開催され、委任状を含め139名の出席があり定款第21条に基づいて成立しました。総会では、平成24年度の事業報告・決算報告、及び平成25年度の事業計画・予算が上程され、全て承認、可決されました。

 

基調講演では、九州大学名誉教授の信友浩一先生に『みとりについて:死に方を忘れた日本人』と題して講演していただきました。治療、治癒を最優先の目的とし、「死なせまい」としている医療職に、高齢者は本当に自らの命を委ねて良いのかという先生のお話にはっとさせられ、介護福祉士として仕事をしていく上で、利用者が自分の人生をどのように終わらせたいと思っているのか、それを汲み取り、その方が人生を「生ききる」ためのサポートをしていくこと、それも我々介護福祉士の大切な役割ではないかと思いました。

また、先生の「介護福祉士は、関係性をつくるプロであるべきだ。アーティストにならなければならない」というお話に改めて介護福祉士としての多様な役割について考えさせられる講演となりました。

信友先生には来年1月にも研修講師として山口においで頂く予定です。アンケートの中には来年の研修を楽しみにしているという声もたくさんありました。研修の日程など詳細が決まりましたら、また皆様にご案内いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

 

代議員総会並びに講演会実施後に頂いたアンケートの一部をご紹介します。


 2013.5.19山口県介護福祉士会代議員総会並びに講演会

みとりについて「死に方を忘れた日本人」アンケート集計回収数94名

 

1.本日の研修をどこでお知りになりましたか?

介護福祉士会からの案内78名

職場からの紹介14名

友人からの紹介1名

その他(HP)1名

 

2.どの事業所に属していますか?

特別養護老人ホーム12名

介護老人保健施設8名

病院13名

訪問介護14名

通所介護4名

介護療養型医療施設16名

特定施設入所者生活介護5名

居宅介護3名

認知症対応型共同生活介護4名

障害者支援施設1名

その他14名

 

3. 職種を教えて下さい。(複数回答あり)

介護職66名

介護支援専門員14名

訪問介護員14名

看護師2名

その他4名

 

4. 今日の講演会についての感想をお聞かせ下さい。

・講演の一番聞きたい所が時間切れで聞けなかったので1月を楽しみにしています。

・今回、1人称・2人称・3人称の意味を理解しました。漢字の持つ意味、又、言葉によって変わっていく文化、影響を強く感じました。

・分かりやすく、おもしろかったです。明日からの仕事で、利用者様との関係性について再度見直しながら接していきたいです。

・感動の一言です。日々、さまざまなジレンマの中で働き、ある意味あきらめさえ感じているところです。先生のような方がいらっしゃると、未来が明るくなり自分自身も、また前を向いていこうと思えました。ありがとうございました。

・枯れていくように死んで行くというのが、とても印象的でした。食欲が落ちる、水分が入らなくなると、何とか努力して取ってもらおうとする。苦しめるより楽に過ごしていただきたいですが、加減が難しくDrでないと判断できないのでしょうね。

・今まで考えもしなかった言葉の語源を教えて頂き、改めて『看とり』で我々は何をすべきかを教えて頂きました。いいお話をありがとうございました。1月の講演を楽しみにしております。

・今まで、死なせないためにどうしていけば良いかばかり考えており、その方にとっての死に方、思いを考えたことがありませんでした。講演会を聞かせて頂き、まずは自分だったらどのような死に方を考えてみようと思いました。

・これまでの価値観や概念がひっくり返って、最初は戸惑いを覚えましたが、自分が介護福祉士としてどうあるべきなのか、どうありたいのか、目が覚める思いです。特に、ご友人が亡くなるまでの話は涙がこらえられませんでした。急に現場は変えられませんが、一歩ずつ意識改革が出来たらと思います。来年も是非、山口にいらして下さい。

・今まで生き方について考えたことや考える機会は沢山ありましたが、死に方について考えたことはほとんどありませんでした。家族としては患者さんの延命を止めることは悪いことのように思うと思います。今日のように死に方を考える機会が増えていくことで、本当に本人がその人らしい死に方を選べるのだと思いました。

・病棟勤務の中、ターミナルカンファレンスの際、医師や看護主体で話が進む為どのように介入してよいか分かりませんでした。今日の研修で今後自分がどのように関わって良いか分かりました。

・自分の考えていることが間違っていなかったと確信できる内容でした。とても共感できて、楽しく聞くことが出来ました。

・私は病院に勤めていて、ほとんどの方が元気に退院する事は少なく、最期を迎える事が多いです。医師、看護師の元に介護士がいるという状況で患者様と共に死を考えるという事は難しいと思います。ですが、日々の生活の中で楽しい、嬉しいと感じてもらえる環境を少しでも作っていきたいと思います。

・私が勤めている病院はどちらかというと医師主体、看護師も毎日の業務に追われ、基本の患者主体、声に耳を傾ける事を少し忘れていたように思います。少し前から祖母が病気で入院し、自宅には帰れないと医師に言われました。まだ、看取りの時期ではないし、本人は帰りたい、でも病気は伝えていないし、実際家でみるのは困難。連れて帰りたいのにできない。今回話を聞いて死について見直されたけれど、悩む部分も増えました。

・初めは正直、固い話だろうと思っていたが、すごく興味深く聞くことが出来ました。また、来年是非聞きたいと思いました。

・死についてあまり考えたくない気持ちと、職場での死との向き合いとの間で、考え尽きないところがずっとありました。今日の話は勉強になりました。自分も含めどのように生きていくか、そして死んでいくか、その人らしく過ごし死んでいくのか考えて介護していきたいと思います。

・「死」に対して恐怖心が強かったのですが、色々と話を聞いて死に対して改めて考える必要があると思います。

・介護福祉士としての自分の存在、立ち位置、意義を知らしめさせられた時間でした。介護福祉士として方向性を見失っていた自分に、叱咤されたような衝撃すら感じたように思います。明日から患者様に向かう自分が変えられる気がします。いえ、原点に戻って頑張りたいと思います。

・命は大事なので一分一秒の延命を考えてしまいがちですが、病院で働いた時それは違うのではないかと迷っていた時があり、自分の死に時を感じた時、死ぬ、枯れる様に死ぬという事を聞いて、今後はそれを考えて行きたいと思いました。

・日本人としての伝統と営みが明治維新後、ドイツからの医療等、技術面等からの歴史や日本語からの意味がわかり、人道的立場の最前線にいる立場と使命を知り、改めて自然と共に生活する自分たち日本人らしいみとりを目指します。サポート出来る力を向上させたいと思う。

・「死に方」とは何ぞや、死との向き合い方、患者さんにどうしてあげられるのかが今後自分の課題です。

・私達に求められている事が分かりました。考え方も変わりました。自分がしたい介護をしていいのだという事が学べました。とても良かった。ありがとうございました。

・いざ自分が重病になった時、どんな医療を提供されるのか、どんな状況の仕事の現場に変えていけるのか等、様々な考えが浮かぶお話だったと思います。

・言葉がはっきり聞こえなくて、わかりづらかった。

・死についてどうしてもマイナスイメージが強かったのですが、先生のお話を聞いて死に対するイメージが変わりました。とても、刺激的な講演でした。

・はじめは少し難しく理解できない所があった。所々で今の現場で行き詰っている問題のアドバイスをもらった感じがする。また、死についても考え方の違いで生き方に変化がみられるようになると思う。

・語源(ことば)に関心をもつという事、“師”、“詩”、“志(士)”の持つ意味、それぞれの対応の仕方を聴き面白いと思った。今まで考えた事のない内容で納得する部分が多くあった。自分の立場での考え方、関わり方の根本を教えられた様だった。

・「生ききる」という環境をサポートできるような関わり方ができているのか、改めて考えたいと思いました。その人が何を期待しているのかを感じとれるように、利用者さんと関わり、実現できるよう上司、他職種とも話し合いたいと思う。

・死は悪いものではないと言われ、少しホットしました。ありがとうございました。

・訪問介護員として、現場で何度も医療の関わりの違和感を感じ、そのことは意味のない感覚だと思ったが、自信をもって自分のミッションを遂行していき事務所のトップにも意見をしていこうと勇気付けられました。

・ご利用者様の思いを大切にして、すばらしいアーティストになれるように努力します。祖母が亡くなる時、両親が亡くなる時のことをいろいろ思い出しました。

・とても現実的なことで参考になりました。「しょうがない」「今さら」「何で私が」耳が痛い思いをしました。明日からの仕事に活かしていきたいと思います。

・大変良かったです。感動しました。是非、来年の研修会に参加したいです。人の思いや、言葉に思いを込めて今を生きていくことの大切さを感じました。アーティストとして楽しく生きる力を引き出して、また引き出されて共に死に方を考えていきたいと思いました。

・死について、もう一度考える事ができ「もっと、しっかり考えなければ」と思いました。利用者に寄り添うことを大切にしたいと思いました。

・日々の業務に追われる中で、信友先生の講演では新鮮な言葉を多く聞くことができました。利用者の人生の終末期に関わる仕事であることを再認識し、敬意を持って介護士として努めていきたいと思います。

・とても良いお話でした。是非とも来年の研修に参加させていただきたいです。もっともっと話しが聞きたかったです。

・利用者に接する時、本当に寄り添っているのか、いつも疑問です。

・生きたいという力をひきだして「生ききる」をサポートする仕事だということを原点に戻って、援助を続けていきたいと思いました。

・ターミナルについて考えさせられる内容でした。尊厳死について深く考えた事がなかったのですが、本当の意思はきちんと聞いておき、気持ちに沿うような対応ができないといけないと感じました。

・介護士の「士」の意味が理解でき、今後も利用者さんとの関係に役立てたいと改めて思うことができ良かった。

・「死の受け止め方」自分達の意義お話を聞いていると理解できるけど、自分は「アート」的のみであり、スピリットに取り組めていないなぁと反省も…。利用者の方々に対してのみでなく、自分の身のまわりの人への気持ちも…。たくさんのお話を伺えて良かったです。1月を楽しみにしています。ありがとうございました。

・日々、医療との関わりの難しさを感じます。入居の方々の今後(終末)も考えながら聞かせていただきました。

・語源の話、興味深く聴かせてもらいました。介護福祉士としてアーティストになれるよう頑張っていきたいと思います。